伝統文化(雛人形)とイノベーション

名古屋の事業化プロデューサー渡辺です。

先日(2025年2月1日)の愛知あたりまえワールドでやっていた番組が面白かったので、メモして見てたのをリライトしてみました。

全国から来店!!オーダーメイドひな人形

守山区のお雛様メーカーさんで名古屋伝統工芸士の方のお店の取材。
全国から子供や孫のためにオーダーで作りに来る人が多数。
いくつか守山区には同業者がいたのに最後の1店に。
というお店で
オリジナル、オーダーメイドのお雛様つくりをされていて
ネットで全国から集客して繁盛(↑オリジナル・オーダーメイドのワードで検索するらしい)なんだそうです。
お人形は人が着る上等な織物でつくられていて、お客様と一緒にゆっくり店内で実物で選べます。
(在庫もすごく抱負でした!)
その生地はこだわりの生地で、専門業者さんのところに足を運んでお気に入りを選びます。
(ここがお好きみたいでこだわりの生地を楽しそうに選んでいらっしゃいました)
店内には5段飾りだけでなくお内裏様とお雛様のセットや立ち雛も!
立ち雛も昔からあるんですって。
最近では、美女と野獣がキスする前のシーンのお人形をお雛様みたいな日本人形のていで制作されたりしていて、モチーフは洋なんだけど、でも衣装は日本の伝統的な衣装という和洋折衷的なものも。
いろんな人をモチーフにしたお雛様も作成しているそうなんです。
そして、動くお雛様にも挑戦中だとか。
常に伝統は受け継ぎながらも前に進む感じがとても印象的でした。

私が気になったイノベーションのポイント

伝統的な産業の衰退が激しくなっている今、過去と未来の中間地点をどう生きているのか。
新しいものをどうやってどこにとりいれているのか。
イノベーション的な視点が気になってみていたので、そのあたりがお伝えできればと思っています。

 1.⁡どこを捨ててどこに拘るか

どこを捨ててどこに拘るか決めたからできたことだと思います。
たとえば、お人形の場合、お顔にこだわる人もいるしお着物にこだわる人もいると思うのですがこちらはお顔もいくつも用意されていますが、特にお着物(生地)に特化されているのでそれにあったお客様がいらっしゃるようでした。これはデザインだけでなく、事業を考える上でとても重要な事だと思っています。
なぜならば、ここが明確な「お金を頂く理由」にもなるからです。

 2.自己理解(自社理解)

これもとても大事なことだと思うのですが

  1. ⁡自分の仕事の細分化ができている。
  2. 自分がこの仕事のどこが好きで得意かわかっている。
  3. 顧客のニーズ(何を求めてきているか)を把握している。これらができていないと何を捨てて何を残すかの決断ができないんですね。

 3.伝統のどこを継承することがこの伝統を廃らせないことに繋がるのかを理解している。

全部は無理なので。

先の2に通じることなのですが、「伝統の肝はどこなのか」これが掴めていないと難しいのではと思います。

日ごろから、考えていなければ急には⁡わかりません。
そして、多くの人がどこを捨てるか決め切れず、時間だけが過ぎているように思えます。
TVを見ながら、輪島塗の方がイギリス向けの商品開発であの漆の黒と赤を捨て、洋風のオブジェに水色やピンクを塗られていたのを思い出しました。
これはどんなイノベーションも一緒だと思いますが、あらゆることを1つ1つ時間かけて丁寧に紐解いてゆく必要があると思います。
とてもよい勉強になりました!