売上はあるが利益が出ない…と悩む社長様へ。頑張りすぎを卒業して「利益が残る仕組み」を作る5つの対策
名古屋のパートナーズブレイン、経営ポジショニング戦略アドバイザーの渡辺です。
今日、3月3日は桃の節句。 名古屋の街角でも、可愛らしい雛人形を見かける機会が増え、少しずつ春の訪れを感じています。
皆さんは、いかがお過ごしでしょうか?
さて、最近ある経営者様と栄のカフェでお話ししていました。
その方は、とても熱心に事業に取り組まれていて、キラキラしていて売上もしっかり立っている。
なのに、ふとした時にこんな本音を漏らされました。
「えりこさん、いろいろ考えてがんばって売ってるのに、なぜか手元にあんまりお金が残らないんです。どうしてでしょう……どうしたらいいですか?」
実はこれ、今の時代の中小企業において、決して珍しい悩みではありません。
むしろ「真面目に頑張っている社長様」ほど、誰にも言えずこの罠にハマってしまうことが多いんです。
でも、誰にも言わないから、助けを求めないから抜け出せないだけ。
かつて銀行員として数多くの決算書を見てきた経験から言わせて頂くと、売上があるのに利益が出ないのは、努力不足ではありません。
「戦う場所(ポジション)」が、ほんの少しズレているだけのことが多いのです。
そこで今回は、今の「貧乏暇なし」な状態から脱出し、最小の労力で最大の利益を生むための「構造の変え方」について、少し踏み込んだお話をしたいと思います。
春に向けて、あなたの会社の「利益の芽」を一緒に育てていくヒントになれば嬉しいです。
なぜ「売上」があるのに「利益」が残らないのか?
「今月もめちゃくちゃ忙しかったし、売上も目標を達成した。それなのに、なぜか会社に現金が残らない……」
30代・40代の働き盛りの経営者様から、こうしたご相談をいただく機会が非常に増えています。実は、この状況を「一時的なもの」と楽観視するのは危険です。
なぜなら、多くの場合、原因は景気や運ではなく、ビジネスモデルの「構造的な欠陥」にあるからです。
30代・40代経営者が陥りやすい「労働集約型」の罠
この年代の経営者様は、ご自身がマネージャーとしてだけでなくプレイヤーとしても優秀であるケースがほとんど。
そのため、何らかの問題が起きても、自分が持っている「気合」と「労働時間」でカバーできてしまいます(汗
でも、ここに大きな落とし穴があるんです。
①規模の不経済
売上が増えるほど、社長の指示待ち時間や管理コストが増え、利益率が下がっていきます。
②差別化の喪失
忙しさに追われ、本来やるべき「独自の強み」を磨く時間がなくなり、気づけば恐れや不安から他者を見すぎて他社との価格競争(同質化)に巻き込まれてしまう・・・。
自ら一般化、コモディティ化していまうわけです。
「もっと頑張れば、いつか楽になるはず」というのは、多くの場合、幻想に過ぎません。
働くことは尊いですが、頑張った先には頑張り続ける未来しかありません。
労働集約型(働いて働いてなんとかする)のモデルのまま、今の延長線上でアクセルを踏み続けることは、ブレーキをかけながら全力で走っているのと同じなのです。
元銀行員が教える、倒産リスクが高いのは「赤字」より「利益なき繁忙」
少し意外に思われるかもしれませんが、銀行員時代、銀行が「この会社は危ない」と最も警戒したのは、創業したての赤字企業ではありません。
そもそも私がいた都銀は創業者にお金を貸すことはないので、危険なのは、「売上は絶好調なのに、利益が極めて薄い会社」でした。
「ちょっと足りんで(足りないからの名古屋弁)お金貸してくれ」と来るお客様には、まず担保状況と貸出状況を見るんです。
「利益なき繁忙」がなぜ危険なのでしょう?
銀行の審査担当者は、決算書の「売上高」よりも「営業利益率」と「キャッシュフロー」を注視するんです。いわゆる「資金繰り」ですね。
利益率が低いということは、わずか数パーセントのコスト増(原材料の高騰や人件費の上昇)で、一気に資金ショートするリスクを抱えているということだからです。
「忙しいから大丈夫」という感覚は、危険です。
忙しくすることで「焦りや不安」を感じる暇をなくしている場合もありますし、本来の危機的状況を見ないようにしている場合もあります。
本当に利益が出ているところは意外と忙しくしていません。
数字のプロである銀行から見れば、利益の出ない忙しさは「成長」ではなく、単なる「資産の切り売り」に見えている可能性があるのです。
頑張りすぎを卒業し、「利益が残る仕組み」を作る5つの対策
「気合と根性で売上を作る」ステージから脱却し「構造で利益を残す」ステージへゆくための、具体的な5つのアクションをお伝えしますね。
対策1:商品・顧客別の「貢献利益」をシビアに仕分ける
まず最初にやることは、感情を入れずにみる「数字による仕分け」です。
ざっくり全体の利益を見るのではなく、「どの商品が、どの顧客が、本当に現金を残してくれているか」を細分化して見てください。
利益が出ている先と出ていない(なんなら赤字)の先があるのではないでしょうか?
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2:8の法則といって、利益の8割は、上位2割の顧客や商品から生まれていると言われていますがどうですか?
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「隠れ赤字」を見つけましょう。 手間(人件費・時間)ばかりかかる割に利益が薄い案件や取引先は、実質的な赤字を生む元になっています。
銀行員時代、私は「この大口顧客を失うと怖い」と怖くて「取引先を切れない」または「値上げが交渉できない」経営者を多く見てきましたが、実際にはその顧客を切った方が会社に現金が残る、というケースも少なくありませんでした。←たぶん今でも銀行から言われると思う。。。
対策2:「15度のポジショニング」で相見積もりから脱却する
差別化を「全く新しい発明」と考える必要はありません。今いる場所から「15度」だけ、戦う角度を変えるのが戦略の肝です。
(ちなみに15度というのは、45度だとやりすぎで、5度だとずらし加減が伝わらないという感覚から使ってます。)
ではどう変えたらいいの?ということで2つ。
①競合が嫌がる面倒なことを拾う。 大手が効率を求めて切り捨てる「ニッチな要望」を見つけましょう。
②掛け算で考える。「製造業 × デザイン」「IT × 特定の業界知識」など、専門性を掛け合わせることから新しいポジションを見つけることができます。
相見積もりになるのは、あなたが競合と「同じ土俵」で戦っている証拠です。
戦う場所をずらし、「比較対象がいない状態」を作ることが、最大の利益対策になります。←弊社イチオシ!
対策3:社長が動かなくても売れる「営業フロー」の構築
30・40代の社長が一番陥りやすいのが「トップセールス」という罠です。
「自分が行けば決まるが、部下が行くと決まらない」状態を放置すれば、利益はすべて社長の健康リスクとトレードオフになります。
それに昭和の頃は、「社長が営業マン」だったことが多いですが、最近は「社長は社長の仕事を」「営業は広報や営業マン」もしくは中小企業であれば「全員がどの業務もできる」の流れになっています。
そこで、給料が高い社長があれもこれも動くのではなく指揮官の仕事に専念できるように
①判断基準の標準化をする。なぜ社長なら売れるのか?その「勘」を言語化し、マニュアルではなく「仕組み(ステップ)」に落とし込んでみましょう。
社長と社員が1つの課題に一緒に取り組むいいチャンスにもなりますよ。
②デジタルとリアルの役割分担を明確にする。 初期のアプローチや情報提供は社員やネットを用い、社長は「ここぞ」というクロージングや戦略判断にのみリソースを集中させるんです。銀行もそうで、普通は融資係が対応し、ここぞという時(人)だけ支店長に会わせるというやり方が当たり前でした。そもそも社長と社員が同じ仕事ではおかしいですよね。
対策4:価格決定権を自社で握る「価値の再定義」
「高いと言われたらどうしよう」という不安は、顧客に「機能(スペック)」しか伝えていないと生まれます。
自分が自社や自社商品の価値を腹落ちしていない場合なりがちですよね。
そんな時に振り返ってみて欲しいのが
①ベネフィットの提示に変える。顧客が欲しいのは「商品」ではなく、その先にある「問題解決」や「利益」です。そこをお伝えしましょう!
②元銀行員の視点を借りる。私たちは融資判断の際、「それをその価格で買うお客様がどこにどれだけいるか」を見ていました。市場価値を見る、ですね。
「安さ」を売りにするのをやめて「この課題を解決できるのは、御社しかいない」と言われるポジションを見つけて移動しましょう。
対策5:銀行評価も上がる「実効性の高い事業計画」への刷新
最後は、これらを一枚の「地図」にまとめる話です。 多くの経営者が作る「根拠なき右肩上がりの計画」を、銀行は信じません。
欲しいのは「売れるはずの」ストーリーではなく「なるほどこれは売れるだろうな」というストーリーです。
それを作るための視点として
①裏付けのある数字を入れる。「どの市場で、どのポジションを取るから、この利益が出る」という根拠がある数字があれば安心感を与えることになります。
②販路開拓のロードマップ: 単なる願望ではなく、問題ない取引先と具体的に売れるイメージができる「ルート」が書き込まれたビジネスモデルと①の収支計画があればOKです。
これが整えば、銀行からの信頼は劇的に高まり、低金利での資金調達や攻めの投資が可能になります。
はい、銀行は安心できる先に貸したいのです。
戦う場所を変えれば、経営者の「自由な時間」は必ず増える
「経営ポジショニング戦略」とは、単に会社を儲けさせるためだけの道具ではありません。
それは、経営者であるあなたの「人生の時間」を取り戻すための戦略です。
好きなこともしたい、家族を大切にしたい、趣味を楽しみたい、旅行にも行きたい、ほんとはこんな仕事もしたい・・・お金があっても時間がないのはあんまり幸せではないと思います。
戦う場所を正しく選び、仕組みを整えれば、あなたが現場にいなくても会社は回り、利益を生み出し続けます。
そうして生まれた自由な時間は、次の事業への投資に使ってもいいですし、大切な家族との時間に使ってもいい。
「これ以上、どこを頑張ればいいのか分からない」 もし今、あなたがそう感じているなら、それは「頑張り方」「頑張る方向性」を変えるタイミングが来たというサインです。
「自社の勝てる場所(ポジション)」がどこか、診断してみませんか?
私はこれまで銀行員として、そして経営コンサルタントとして、数百社の「数字」と「現場」を見てきました。
利益が出ない原因が「リサーチ不足」なのか「戦略ミス」なのか、あるいは「仕組み」の問題なのか。
あなたの事業の「勝ち筋」を特定する、個別相談を承っています。
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