夏のアムール・デュ・ガトーは新規開拓か?利益率アップコンサルが解き明かす「冬の利益まで底上げさせる仕掛け」

名古屋の利益率アップコンサルタントの渡辺です。

名駅の冬の風物詩「アムール・デュ・ショコラ」。
なんと夏はチョコだけでなく、冷たいスイーツや焼き菓子、シェフの実演まで揃えた「アムール・デュ・ガトー」として開催されているんですよね。 →参考: 夏のアムール・デュ・ガトー2026記事
ということで、私も実際にジェイアール名古屋タカシマヤ10階の会場へ足を運んできました!

ジェイアール名古屋タカシマヤ「夏のアムール・デュ・ガトー」10階催事会場の混雑風景

平日の昼間にもかかわらず、会場は熱気に包まれていました

チョコって年中当たり前にあるけど意外と季節商品で、寒いときは強いけど暑いときは弱いんです。 だから「夏もアムールをやるの!?」と驚く方も多いかもしれません。

でも、記事にあるように『クラブハリエ』のバームアイスや『シェ・シバタ』のガパオライス、各シェフの限定スイーツなど、チョコレートだけに縛られず「夏に売れるスイーツや体験」に切り替えて人を集めているのを見て、コンサルタント目線で「これは見事な設計だなぁ」と思っちゃったんですよね。

そこで「実際の集客や利益はどうなっているんだろう?」とデータを調べてみたところ・・・やっぱり?!となりました。

会場を歩いてみると、冬とは違ってカップルや帰省土産を探す方や年配の方も多く、まさに「夏のスイーツ需要」をしっかり掴んでいる印象です。

この現場の熱気を肌で感じながら、利益率コンサルタントの視点で「なぜ高島屋は夏にこれだけの仕掛けをするのか?」を分析してみたところ、しっかり計算された『冬の本番に向けた呼び水戦略』が見えてきたんですよね。

高島屋が仕掛ける「表の狙い」とは?

世間や高島屋のプレスリリースを見ると、夏のアムールにはこんな「表の狙い」があるようなんです。

高島屋が仕掛ける4つの狙い

  1. 自分使いの開拓: 冬のチョコだけでなく、夏に嬉しい「冷たいスイーツ」や「自分へのご褒美」需要を取り込む

  2. 夏の文脈作り: チョコに限定せず、焼き菓子やひんやりスイーツなど「夏に食べたい商品」へテーマを転換(47ブランド約800種)

  3. ギフト・帰省需要の転換: お中元、手土産、帰省土産として、夏限定の洋菓子(ガトー)を提案する

  4. 来店動機の変更: 単なる買い物ではなく、「約120種類の実演(ライブ感)」など、夏限定の体験で冬に来ない層を引きつける

「なるほど、夏の新規顧客開拓か〜」「二匹目のどじょう狙いか~」で終わらせても面白いんですが、私の目線はちょっと違っていて。

これって、実は「冬の本番に向けた、高利益な呼び水(LTV最大化)戦略」なんじゃないかと思ったんです。

なぜならば、バレンタインのチョコももはや昔のように「好きな人へ」や「義理チョコ」よりも「友チョコ」「マイチョコ(ご褒美)」になりつつあるからです。
そうなると夏も冬も、1.の「自分へのご褒美」需要を取り込む、と同じ客層狙いということになりますよね。

高島屋の夏のアムールデュショコラにおけるLTVと利益率の分析イメージ

利益率アップコンサルがみる「真の狙い」:冬の本番に向けた高利益な呼び水戦略

実際の数字が証明する「夏の呼び水効果」

この「夏の呼び水効果」は、実際の数字(報道・プレスリリース)にも綺麗に表れています。

  • 2024年夏: 来場者 6.3万人以上 ➡ 2025年冬: 来場者 90万人以上(売上49億円)

  • 2025年夏: 来場者 11万人以上(+約4.7万人) ➡ 2026年冬: 来場者 95万人以上(売上56億円/+5万人増)

もちろん冬自体の規模拡大もあると思いますが、夏にファンを約5万人増やしたことが、そのまま冬の+5万人増・売上+7億円増という『集客コストゼロで急増した利益』の下支えになっているのかもと見ると、非常に腑に落ちますよね。

またコンサル視点で考えると、この仕掛けのすごさは3つあります。

1. ライバル不在の夏なら「新規獲得コスト」を劇的に抑えられる

みんなが一斉に全力で広告を打つ「冬のバレンタイン激戦期」に新規顧客を集めようとすると、かなりの広告費(CPA)がかかります。
一方、ライバルの少ない夏に「夏限定の特別体験」をフックに集客すれば、今まで出会えなかった「チョコ好き」のお客様を格安の集客コストで得ることができます。

夏のアムール・デュ・ガトー会場でシェフが限定スイーツを実演調理している

会場ではシェフが目の前で仕上げる「ライブ感」あふれる実演も大人気

夏のアムール・デュ・ガトー催事場で人気スイーツブースに並ぶ列と「最後尾」案内プラカード

人気ブースには「最後尾」の案内が出るほどの行列ができていました

お客様側も混雑を避けてゆっくり品定めできるので、最初の体験価値が高まりやすいのもポイントですね。 (個人的に高島屋は体験の作り方がすごくうまいと思う・・・)

2. 2025年夏に獲得した11万人以上の顧客が、冬の本番には「広告費ゼロ」でリピートしている

夏に獲得した11万人の新規顧客は、すでに「名古屋タカシマヤのショコラ体験」に満足したファン(顧客リスト)です。
チョコを1つの軸として、様々なスイーツを組み合わせることで、チョコと親和性がいい他の市場からの自然な流入を図った結果です。
このファンは、冬の本番には追加の広告費をかけなくても、ワクワクしながら売り場に戻ってきてくれますつまり、夏に安いコストで獲得できたお客様は、冬には「追加の集客コスト0円」でさらなる利益を生み出すリピーターに変わるわけなんです。

3. 既存の会場やシェフのブランド力で粗利をたくさん残す

また、これは夏場には空きがちな催事スペースや冬イベントでつながりを持ったブランド(シェフ)との強いパイプをフル活用して、固定費を下げながらしっかり利益を残す構造になっているんです。

単に「夏も売れて良かったね」という話ではなく、「安い集客コストで新規のお客様を集めておき、一番儲かる冬(本命)の利益率をさらにアップさせる」という見事な組み立てなんですよね。

単発イベントを「高利益な呼び水」に変える経営視点

単発の体験イベントで終わらせず、次の「本番」へ向けてお客様の感情をどう温めておくか。 これって、私たち中小企業のビジネスでもすごく応用できると思いませんか?

この仕組みを皆さんにも応用しやすいように別の視点で書いてみますね。

①良いイベント(事業)なんだけど、続けているうちに疲弊してきた(集客が難しくなってきた・頭打ちになってきた)

②そんな時の打ち手として、今やっていることから離れないで「少しだけずらしたこと」を考えて「掛け算」してみる

これならどうでしょう?

個人的に思うのですが、うまく回っていない方で次の一手を探しておられる方の多くが、元々やっていることから離れたことを考えられるのです。 全くやったことがないこととか、全然関連性がないこととか。

「今のままじゃまずい!」と思うからなのかもしれませんが、呼び水にならないことを始める方がとても多いのです。それでは、成果が出るまで時間がかかりすぎるので体力が持たなかったり、また新しい別のことにチャレンジして遠回りしてしまうのです。

でも、今回の事例のように、焦りが出てくる前のまだ良い段階で「今うまくいっていることから離れず、何かを少しだけ変えただけ」くらいのことに取り組むとこのように相乗効果が期待でき、利益もどんどんアップしてゆくのです。

裏側のちょっとした考察:冬のメンバー補充の合理化という側面も?

ちなみに、経営の裏側としてもう一つ「こんな意図もあるのではないか」と感じたのが、冬のメンバー補充の合理化です。

冬の本番で「いつもの顔ぶれ」ばかりだとお客様に飽きられますし、もし急な辞退などで穴があいた際、ゼロから代わりのシェフを探すのは莫大なコストとリスクがかかります。

でも、夏を「テストマーケティングの場」としても機能させれば、新しく参加して実力を発揮したシェフをデータに基づいて冬にスカウト(補充)できますよね。
集客リスクを抑えつつ、選抜コストも削れる。一石二鳥の非常に合理的な仕組みとして機能しているのかもしれません。

本命商品を爆発的に売る「呼び水」は仕込めていますか?

今回のお話、いかがでしたでしょうか?
実はジェイアール名古屋タカシマヤは、「全国の高島屋グループの中で単独首位の売上高」なんです。
それには「アムール・デュ・ショコラ」の存在が大きいのです。
なので、「全国の高島屋グループの中で単独首位の売上高」をキープするためにもさらなる工夫が必要だったんですね。(たぶん

ジェイアール名古屋タカシマヤの事例は、大企業のイベントの話に見えて、実は私たち中小企業が「利益率を高める」ための金脈が詰まっています。

多くの会社が「本命商品」を売るために、毎回ゼロから新規集客をしようとして広告費を垂れ流し、利益を残せずに疲弊してしまいます。
しかし本当に賢い経営者は、「本命商品を買ってもらうための、安くて魅力的な呼び水(仕掛け)」を事前に用意し、集客コストゼロで本命が売れる仕組みを作っています。

「自社の本命商品を売るための『呼び水』は何になるだろう?」 「今の事業からズラさずに作れる『高利益な掛け算』は何だろう?」

これらを一人で悩み、見つけ出すのは簡単ではありません。

「集客コストがかさんで利益が残らない」「今の事業の次の展開(呼び水)に悩んでいる」とお悩みの名古屋の中小企業経営者の方は、ぜひ一度、私と一緒にできるところから自社だけの「高利益な呼び水づくり」を考えてみませんか?

まずは現状のお悩みや「こんなことできるかな?」というアイデア段階でも結構です。お気軽に下記よりお聞かせください。

[お問い合わせ・ご相談はこちらから]