ノリタケの食器事業が撤退の危機?愛用歴30年の私が、自宅のカップを見て「絶対に失くしちゃいけない」と思った5つの理由

みなさま こんにちは!
名古屋・栄の利益率アップコンサルタント渡辺です。

 

最近になって、原油問題、ナフサ問題、いろんな問題が出てきたかと思えば、その裏で憲法改正、またパンデミックみたいな話もあり・・・
なんだかドキドキするようなニュースが増えてきました。

そんな中で、私の目に飛び込んだニュースがこちらです。

「ノリタケの食器がなくなるかもしれない」


「え?どういうこと?なんで?」

「『赤字だからやめろ』って?祖業なのに???」

「いやいや、その部門が赤字だとしても、それはない!ノリタケの食器がなくなるなんてありえない!」

と、食器好きの私は反応してしまいました。

なぜ「物言う株主」は撤退を求めているの?

実はノリタケの事業について、アクティビスト(物言う株主)として知られるストラテジックキャピタル(SC)が、下記のような提案をしたのです。
その中の1つ「祖業である食器事業を撤退せよ」という主張が大きな話題となっているのです。

  •  食器事業は過去10期のうち9期が赤字であり資本効率が著しく低く現在の売上高に占める食器事業の割合は約5%まで縮小。撤退も視野に入れた見直しを。
  • 政策保有株式(持ち合い株)はやめて売却し株主へ還元を。
  • 多くの人が「ノリタケ=食器」とイメージするが、利益の柱は砥石などの「工業機材」や「セラミック・マテリアル」。

(参考:ノリタケに「不採算なら祖業でも撤退を」 アクティビストが株主提案 – 日本経済新聞

個人的には、名古屋は保守的な地域だし、株の持ち合いとか自己資本比率が高いとか、昔からそれは当たり前のような気がするんだけど。
でも、私が銀行にいたらやっぱり撤退まで言わないけど、赤字見直しは確かに問題にするかも。

そして、私が目にしたのはXの投稿で、そこでは「#ノリタケ辞めないで」といったハッシュタグがトレンド入りしていました。

ノリタケのブランド力は食器によって支えられているわけだし、工業製品の商談でも「あの食器のノリタケ」という信頼が大きな強みになっているという反論が多く見られて、「祖業の撤退なんてありえない」と各自が家にあるノリタケの食器の写真をUPしたり、ノリタケの経緯をUPしたり、「買い支えよう」とか、連日すごかったです。(今でも

実際、私の家にもずっと愛用してるカップがあるんですけど、これを見ていると『効率だけじゃ語れない良さ』があるんですよね。

私が感じるノリタケの「唯一無二」の美しさと美学

ノリタケのティーカップ シャーロットシリーズ 自宅での使用例

こちらは私のうち使いのノリタケ食器の1つ。 もう廃番だけどノリタケらしい金彩の美しさや耐久性、柔らかい色使いとモチーフ。

実はノリタケの美しさは、実は地元・名古屋で育まれた「名古屋絵付け」の伝統が息づいているからこそ、なんですよ。

このカップに施された繊細なラインや金彩の使い方は、かつて世界を魅了した職人たちの魂が今も受け継がれている証拠なんですね。

実際に、私のカップのどこにその「凄さ」を感じるか、趣味で洋食器のデザインをした経験も踏まえて5つのポイントで語らせてください。

 

① 日本人らしい繊細な植物の描き方
西洋のものとは違う、たおやかな柔らかく流れるような繊細な葉や茎のカーブや控えめなライン。

② 外国製にはない絶妙な色彩の用い方
派手すぎず、でも地味じゃない。デザインの穏やかな色調が黒目で色の機微を見分けられる日本人ならではの色彩感覚かなと。

③ 落ち着きと華やかさの「絶妙なバランス」
西洋のビビットな華やかさではなく、穏やかな色調の中に対比的な色使い(ピンクとグリーン)を施す絶妙な色彩のバランス感覚。

④ 日本人の心に響くモチーフの選定
自然界にありそうな草花を主とした優しいもので、食器が目立ちすぎず日常的にも使いやすい繊細なモチーフ。

⑤ 職人技を感じる、上品な金彩の使い方
長年使っても色褪せない金彩。あと金彩の色もいろいろあるのですが、このシリーズもですがキラキラ感がないマットな金彩が上品で綺麗なんです。
洋風なのは、もう少し黄色みが強くK18っぽく、ノリタケのはK24っぽい感じ。この色独特だと思う。。。


つまり、西洋の磁器のデザインは足し算のデザインで、ノリタケはの磁器のデザインは引き算のデザイン。

だから、華やかなヨーロッパの磁器(ジノリとかマイセンとか)みたいに高見えしないし、パッとしないんですけど使うと良さがわかるデザイン。
不思議と和洋折衷なんの料理にも合う優れものなんですよ。

コンサル視点で考える、ノリタケ食器事業の「次の一手」

一つの手として思いついたのは、toCはこのままでtoBへ販路を広げ、たとえば地元のインバウンド対応の高級ホテルなどに和のテイストが薫るデザインの食器を提供する、うまくいったら海外の高級ホテルへも出してみる。という一手。

これよくコンサル同士で時々話題になることでもあるんですけど、不特定多数への小売(toC)は、在庫リスクと広告宣伝費がかかりすぎる問題の回避です。

これを「世界の高級ホテル・迎賓館専用」というニッチな市場(toB)変えることで、「ノリタケを使っていること自体がステータス」というブランド価値を再構築する。
→ブランド価値はそのままに、販管費を減らすことができる。(はず

など、今すでにあるもの(技術)をうまく活用して利益を増やす工夫はできないかなぁなどと思ったりします。
うまくいくかどうかはわからないですけど、いくつか仮説を立ててみるのも面白いですよね。

効率重視の世の中で、私たちが守るべきものは何でしょう?

確かにビジネスとしては厳しいのかもしれないです。
でも、この繊細な美しさを一度捨てたら、二度と作れないと思うんです。
もうかなり職人さんが減っています。

利益か文化か。
利益かブランドか。
いや、両方取ろうよと言いたい(難しいけど

1企業の祖業というよりは、名古屋の文化を残したい、という気持ちに近いものを私は感じています。
なんとか残したいと思うのは私だけでしょうか?

皆さんの家にあるノリタケには、どんな思い出がありますか?
よかったらコメントくださいね。